暴力を振るう恋人!DV男から離れられないのはなぜ?

最初は優しかった。でも、いつのまにか恋人である自分に暴力をふるってくる…。
別れたほうがいいのは分かっているけど、なぜ恋人関係を止められないのでしょうか?
この記事では心理学博士が、暴力する恋人から離れられない心理について解説します。

今回のお悩み

女子大学生です。
恋人がいます。
最初の頃は、普通のカップルみたいに彼も私に優しくしてくれました。
でも、いつぐらいからでしょうか。
ちょっとしたことで、私に対してすごくキレるようになりました。
時には、殴られたりすることも…。
彼とはもう別れたほうがいいのは頭では分かっています。
でも、彼を一人にすることはできません。
どうしたらいいのでしょうか?

別れられないのは「共依存」という心理が働いているため

恋人から暴力を振るわれていて、そこから逃げたいけれど彼と別れることもできないという葛藤で悩んでいるのですね。

恋人関係における暴力はデートDVと呼ばれ、立派な犯罪の一つです。
あなたの言う通り、彼とは別れたほうがいいです。
でも、頭では分かっていても彼と別れられないのは「共依存」という心理が働いているためです。

共依存とは、お互いがお互いに依存した状態です。
自分と特定の相手がお互いに過剰に依存しあっていて、その人間関係の中だけで世界が完結しているかのようにお互いに囚われている状態のことです。
定義は難しいですが、一言でいうと暴力してくる恋人(DV男)が暴力の被害を受けている恋人(あなた)に依存しているように、あなたもまたDV男に依存しているという状態です。

どちらも、「えぇ!?」と思われるかもしれません。
実はDV男はあなたに依存しているのです。
それというのも、DV男は自分に自信のない寂しがり屋であることが多いです。
また、子どもの頃は暴力的な環境で育ってきたため、あまり他人から愛情を受けていません。
そのため、これまでの愛情を求めるかのように被害恋人から愛情を求め、依存します。
そんなDV男にとって、恋人を自分のもとにつなぎ留めておく手段が、暴力や暴言なのです。
(もちろん、暴力恋人もそのこと自体が悪いことは分かっており、だからこそ暴力を振るった後で被害恋人に心底謝罪します。)

そんなDV男に、あなたも実は依存しています。
それというのも、付き合っている過程でDV男の境遇についてあなたは知ってしまうからです。
怖いけど愛しい恋人は、実は子どものようにただ一途に自分の愛情を欲しているだけだった…。
そうすると極端な話、「こんなつらい恋人を救えるのは自分だけだ」、「ここで恋人を自分が見捨ててしまったら、きっと相手は自殺するに違いない」と思ってしまいます。
「暴力を振るった後は暴力恋人も『もう二度としない』と誓ってくれるし、もう大丈夫。それよりも、彼を支えないと…。」
そんなふうに思い、DV男を救うことに自分の価値を置いてしまうのです。

本来、人の価値というのはどんな人にでもあるものです。
また、健康な人は基本的に自分のことを価値あるものだと思います。
でも、あなたにとっての自分の価値は、DV男を支え、救うことだけにあると思ってしまうのです。
誰だって、自分が価値のないものだと思うことはツラいものです。
そのため、自分は価値がある者だと思おうとして、あなたはDV男から離れられなくなるのです。

共依存関係に陥った場合、2人の間だけで世界が完結してしまいます。
外の第三者からの声は聞こえないので、非常に危険です。

DV男と別れることを悩んでいるあなたに私の声が届いているのなら、すぐに彼とは別れてください。
もしかしたら、彼が立ち直れると思っているかもしれません。
しかし、心理学を学んだ者として言わせてもらうと、暴力をふるってくる恋人を更生させることはまず不可能です。
逃げなければ、あなたが被害に遭ってしまうかもしれません。

まとめ

暴力を振るう・振るわれる恋人関係は、お互いに過剰に依存し過ぎているため別れることは難しいです。
でも、この記事を読んでいるということは、現在の恋人関係について悩んでいる余地があるということです。
共依存というのはゆがんだ関係です。
勇気を出して、恋人との関係を断ち切ってください。