親や配偶者が亡くなった場合、彼らの遺産を相続すると一定の額を超えた時点で相続税がかかってしまいます。
せっかくの財産が税金で減ってしまうのは悲しいですよね。
そこで、相続税の基本と生命保険を利用した相続税の節税方法をご紹介します。
「うちには関係ない話」なんて思っていたら、実は両親がこっそり貯めていたなんてこともありますので、まずはご一読を!
相続税の仕組み
簡単に相続税の計算方法をご説明しますね。
相続税には「控除」という制度があります。
一定の金額以内であれば相続税がかからない、というものです。
遺産額-(お葬式代+借金)-控除額=課税される遺産額、となるのです。
遺産額からお葬式代と借金を引いた額よりも控除額が大きければ相続税はゼロ、となり少なければそれに対して相続税が発生します。
控除額は以下の通りです。
【3,000万円+600万円×法定相続人の数】
残された相続人が5人いる場合、3000万円+3000万円で6000万円分までは相続税が発生しない、ということです。
「そんな大金うちにはないから関係ないよ」と思っていたら大変な目に遭うことも。
実は遺産額には土地や建物も含まれます。
特に都心に土地があるという場合は要注意。
相続税を支払うために土地を手放すというケースが増えています。
だから金融資産は少ないよという人も相続税対策をきちんと行っておかないと残された家族たちに迷惑をかけてしまうことにもなり兼ねません。
生命保険で相続税を節約する方法
相続税には先ほどお話しした「基礎控除」以外にも様々な控除制度があります。
その一つが生命保険控除です。
死亡した方が契約し保険料を支払っていた生命保険から支給された保険金は「500万円×受取人の数」だけ控除されます。
5人法定相続人がいれば基礎控除にプラスして2,500万円の遺産を相続税から守ることができるのです。
具体例を見てみましょう。
生命保険未加入の場合
※資産価値3,000万円の不動産+貯金が3,000万、相続人が成人した子供2人、葬式費用借金ゼロとします。
相続する財産は6,000万円です。
この場合の相続税がかかる金額は以下の通り。
【6,000万円-3,000万円(基礎控除)-1200万円(子供1人当たり600万円×2)=課税される相続額1,800万円】
子供たちが2分の1、900万円ずつ相続したとすると相続税はそれぞれ90万円ずつ、合計で180万円も支払わなければならないのです。
生命保険に加入していた場合
条件は先ほどと同じですが貯金部分を全額生命保険金とします。
※ 資産価値3,000万円の不動産+生命保険金3,000万、相続人が成人した子供2人、葬式費用借金ゼロとします。
【6,000万円-3,000万円(基礎控除)-1200万円(子供1人当たり600万円×2)-1000万円(生命保険控除子供1人あたり500万円×2)=課税される相続額800万円】
子供たちが2分の1、400万円ずつ相続したとすると相続税は40万円ずつ、合計80万円となります。
貯金を生命保険に変えるだけで合計100万円もの相続税を節約できるという訳です。
[box05 title=”まとめ”]
生命保険の相続税控除額は500万円×法定相続人の数です。
「そんなに金融資産はないはずだけど不動産があるのよ」という場合も「貯金が結構あるのよ」という場合も、現金は銀行に預けるのではなく生命保険という形にしておきましょう。
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